北アルプス・五竜岳の北・白岳は、春雪の豪雪の中にあります。
美しい遠見尾根はアルプス平から地蔵ノ頭、小遠見山、中遠見山、大遠見山と見事な純白のピークを連ね、たおやかに続きます。絶えず前方に鹿島槍ヶ岳北壁と唐松岳から白馬岳の目の覚めるような展望の中、ラッセルしていく感覚は独特です。
今回、大遠見山付近の二重山稜の一角に雪洞を作り、泊まります。雪洞はスコップとスノーソーで作り上げる風と降雪の影響を受けない素晴らしい泊り場です。真っ白な壁とローソクの灯りの中、静寂の一夜を過ごします。翌早朝、入口のツェルトを跳ねのけて、飛び出す遠見尾根。最後の西遠見山を越えてコルに降り、真っ白な雪面を交代でラッセルしてジリジリと高度を上げていきます。最後の急雪壁を登り、雪庇を切り崩して稜線に立てば、そこが白岳山頂です。突然、西風が吹き付け、黒部川を挟んで立山、剣岳の見事な展望が待っています。

※冬用シュラフは数に限りはありますが、無料レンタル可能です。